全国350店舗、すべて高品質のサービスという難題に挑戦 株式会社ボディワーク

市場規模1兆円を突破し、さらなる成長が見込まれるリラクゼーション業界。各社の競争が激化する中、株式会社ボディワークの主力ブランド「ラフィネ」は、業界最大級となる350店舗を展開。さらなる出店攻勢を続ける同社の戦略を追った。

全国350店舗、すべて高品質のサービスという難題に挑戦
ボディケアリフレクソロジーを気軽に楽しめるリラクゼーションサロン「ラフィネ」。全国どの店舗に行っても高水準のサービスが受けられるという質への信頼が、350店舗展開を成功に導いている。実はその裏では、「ミステリーカスタマー」という覆面調査員が大きな役割を果たしている。セラピストはその正体に気づかないままサービスを施し、接客や技術、清潔感などをチェックされ、後日、改善点の指摘を受けサービスに反映するという。

年間グランプリという評価の場も設けられ、モチベーションの向上にも貢献。このミステリーカスタマーがどの店舗にも頻繁にやって来るため、常時適度な緊張感が保たれ、全体の質のアップにつながっているのだ。1980年代からオフィスで働く女性への癒やしとして広まったリラクゼーション。現在では幅広い年齢層の支持を得ているが、1対1でセラピストの手技に体をあずけるだけに、近寄り難いと感じる人もいまだに多い。同社では、これを払しょくするためにも、多店舗展開を進めてきたという。信頼あるブランドを構築することこそ、新規顧客獲得への有効な手段なのだ。ミステリーカスタマーの報告と同様に、顧客からのアンケートも貴重な情報源。たとえば、現在実施されているキャンペーン「耳つぼダイエット」は、顧客の声から生まれたという。

未経験から「公認セラピスト」を育成する34日間集中研修
多店舗展開のカギを握るのは、人材の確保と育成だ。ことにサロンの評価は、セラピストの力量に左右されるため、一人一人の教育が重要となる。そのために同社では、中途・新卒を対象に独自の教育研修を構築した。教育専門のボディワークアカデミーを都内に設立し、セラピスト経験をもつ講師20名余りを配属。その研修は、ミステリーカスタマー体験から始まる。研修生自らがお客さんを装い、セラピストや店舗のサービスを検証することで、その後の研修の理解も得やすくなるのだ。

その後の学科研修では、ケアの予備知識となる人体の臓器などの基礎生理学講義を受け、実技では施術のみならず言葉づかいや表情までも学ぶ。そして、最後の修了テストまでを指導、これまでに6000人余りのセラピストが誕生した。「研修では、ディスカッションをしてもらい現状に対する改善策を提案する場を設けるなど、"みんなでラフィネをつくっていこう"という企業スタンスも伝えています。また、指導がブレないよう、全国に研修施設を設けず、東京一カ所に教育の場を集中させています。当社独自の技術や接客のレベルを維持することを優先しているのです」と人事課課長の中澤氏は熱く語る。

編集後記
人気サロン・治療院プロデュース実績多数の著者が導き出した「セラピストとして成功するためのヒント」がギッシリ詰まってます。サロンの接客、集客、企画立案にすぐ役立つ成功へのバイブル。厳選収録、全160コーチング(現場セラピスト編105コーチング、開業サロン・オーナー編55コーチング)。

愛されるセラピストの心得160

約30年前、日本にハーブを持ちこんだ「癒やしのパイオニア」 株式会社生活の木

ハーブやエッセンシャルオイルなどのオーガニック商品を提供している株式会社 生活の木は、癒やし業界のパイオニアといえる存在。2年前に社員給与のベースアップを図るなど、不況下でも順調に成長中だ。今回は、同社のさらなる成長に向けた人材戦略に迫る。

約30年前、日本にハーブを持ちこんだ「癒やしのパイオニア」
2009年、ハーブエッセンシャルオイルなどのオーガニック商品を販売している株式会社 生活の木は、過去最高の利益を記録した。気疲れすることが多い不況下にこそ、同社の商品に「癒やし」を求める人が多いのだ。「ここ10年ほどで、販売店は70店舗ほど増えています。今後も店舗数は増やしていく予定です」と語るのは、広報担当の中村さん。同社は約30年前からハーブを扱う事業を開始。当初は競合する企業が一つもなかったそうだ。

商品の原料は日本を含めた世界40カ所のパートナーファームから直接仕入れており、現地の状況もスタッフが目で見て把握しているため、一番いい場所で、一番いい時期に収穫されたハーブを使うことが可能。しかも、製品は岐阜県にある自社工場で製造している。「ラベンダーのエッセンシャルオイルは定番商品として人気があります。近年では、濃縮飲料型のハーブコーディアルがヒットしました。また、男性向けにブレンドしたエッセンシャルオイルも好調で、男性の来客も増えてきましたね」と中村さん。現在、生活の木で扱う商品は約2000点とバリエーションも豊富。このほか、ハーブガーデン、サロン、カルチャースクールなどで生活の中にハーブやアロマテラピーを取り入れる提案を幅広く行っている。

社員の声から開始された「アーユルヴェーダ研修」と「商品研修」
ハーブ・アロマ業界をリードする生活の木は、スタッフの教育にも余念がない。入社1日目〜3カ月未満の正社員と時給制の準社員は、まず導入として新人研修を受ける。会社の概要や「5カ年計画」などの経営的な目標を共有することが目的だ。そして、入社3カ月〜半年の社員を対象に行う「レベル1研修」では、店舗スタッフの役割や接客ロールプレーイング、効果的なディスプレーについてなどを中心に指導を行う。

「新人研修」と「レベル1研修」は必須のものだが、他にも社員の要望で開始した研修もある。「当社が運営するサロン『アーユルヴェーダ』ではスリランカの哲学に基づくトリートメントを提供しています。かなり奥が深いので、理解するために社員から研修を行ってほしいという声が上がりました。サロンスタッフに講師を依頼し、アーユルヴェーダについての講義とスカルプマッサージのロールプレーイングなどをしています」。そう語るのは同社のトレーニングdiv※のリーダー真部さん。社員発の研修としては、ほかに商品研修がある。店舗での教育が追い付かない人を対象に、月に1回、丸2日間かけて、2000点もの商品とその案内方法について研修を行っており、これが会社全体での知識レベル向上に役立っているのだ。

編集後記
2003年9月の発売以来、デザイン書としてもマーケティング書としても好評を博している「売れる色・売れるデザイン」。その第2弾である本書のテーマは「癒しのデザイン」。第一線で活躍中のカラーコンサルタントが、約60点のヒット商品から、LOHAS時代を勝ち抜くブランドデザインのヒントを紹介します。訴求効果の高い色・形・レイアウトとは何か? デザイナーや商品開発者をはじめ、売れるデザインをつくりたい人すべてのための、すぐに使えるアドバイスが満載の1冊です。

成功事例にまなぶ癒しのデザイン

ターゲットは「お父さん」。芸能人も支持する育児用品専門店 株式会社ダッドウェイ

育児を積極的に応援する企業はあるが、男性が育児支援制度を有効活用できる企業はまだ少ないのが現状だ。育児用品や玩具などを販売している株式会社ダッドウェイは、世の父親に育児の楽しさを伝えることを目的とし、男性社員の育児支援にも注力している。今回は、そんな同社のユニークなワークスタイルを追った。

ターゲットは「お父さん」。芸能人も支持する育児用品専門店
今、育児に熱心な"イクメン"が増え始めている。ただし、男性が子育てに積極参加するようになったのは、つい最近のことだ。「1992年の設立時は、まだお父さんの育児をテーマにする会社などなく、『そんなビジネスが成立するわけがない』と周囲から白い目で見られたことも。でも、育児は楽しいし、母親だけに任せきりにするのはもったいないと心から感じていたのです」。そう語るのは、ダッドウェイ代表取締役の白鳥氏。

同社は、「お父さんの子育てをもっとおもしろ楽しくしたい!」をテーマに、育児用品や玩具の企画・輸入・製造販売を行っている。白鳥氏が小さな息子と一緒にアウトドアを楽しみたいという思いから、自分で市販のだっこひもをアウトドア仕様に改良していたのが事業のルーツになっているそうだ。現在は、アメリカの知育玩具メーカー「Sassy(サッシー)」や、イギリスのベビーカーメーカー「MICRALITE(マイクラライト)」、2010年のキッズデザイン賞を受賞したハワイの育児用品メーカー「ERGObaby(エルゴベビー)」など数多くの海外ブランドを取り扱っている。また優しい素材選び、遊び心にこだわった育児用品の自社ブランド「Solby(ソルビィ)「DAD-WAY Amorosa(アモローサ)」なども好調で、男性はもちろん、物へのこだわりが強い芸能人からも支持されているそうだ。

遊び心とウンチクで、パパの心をわしづかみにする商品を提案
ダッドウェイが男性から支持される理由の一つには、商品セレクトの仕方がある。例えば、イギリスのベビーカーメーカー「MICRALITE(マイクラライト)」には、自転車デザイナーの設計思想が反映されており、取り回しがしやすいように後輪をあえて大きくしている。また、「Sassy」の玩具には、遊びながら新しい遊び方を発見できる楽しさがあるなど、男性が好むウンチクや遊び心がある商品ばかりなのだ。

「安全・清潔な商品というのはもちろん、子どもが運転して遊ぶクルマはあえてプラスチックではなくブリキ製のものを販売するなど、お父さんも楽しめる商品を取りそろえています」と白鳥氏。通常ベビー用品を扱う企業では、育児経験者を含め、女性社員の占める割合が高い。しかし、同社では本社に勤務する約半数が男性であり、営業会議内でもパパ目線の提案が常に取り入れられているのだ。それぞれの社員が、商品に込められた遊び心や、醸し出す雰囲気、手触りなどに至るまで、積極的に意見交換に参加しているという。海外ブランドのセレクトに関しては、社長と海外営業担当が各地の展示会などを視察し参考にしている。そのほか、国内営業担当や企画担当の社員も同行し、"海外研修"として学ぶチャンスを与えているそうだ。さらに店頭スタッフ向けには、月に1回新商品勉強会を開催。商品を通じて、父親の育児を楽しくするための取り組みにも余念がない。

編集後記
広告代理店の芸通がコンペで勝ち取ったのは、大手ビール・メーカー、タイガービール社の巨大プロジェクト。それは、ヨーロッパで大ヒットした高級ビール「ニョライ」を、いかにして日本へ逆輸入させるかがテーマである。この難題に、おなじみの芸通メンバーが立ち向かう。現代人の欲求を読み解きながら、高級ブランドが狙うターゲット像、ターゲットへの訴求方法を大胆に暴いていく。タイガービール社が最後に採った驚愕の生産方式とは?そして、今回麗子ママが見せるミラクルな解決策とはいったい…。

ブランドは遊び心

15年前に社員用託児所導入! 歴史ある「キャリアと育児の両立」支援 ミキハウス(三起商行株式会社)

百貨店の売り上げが低迷し、アパレル業界も苦戦を続けている。そんな状況下、ベビー・子ども服ブランドの「ミキハウス」では、百貨店の売り場で売り上げが前年を大きく上回る店舗が目立ってきた。売上高も前期比5〜6%増で推移する。その勝因を人材戦略の視点から検証した。

15年前に社員用託児所導入! 歴史ある「キャリアと育児の両立」支援
2011年に創業40周年を迎えるベビー・子ども服ブランドの「ミキハウス」。子どもを大切に考える会社とあって、社員の「育児支援」にはこまやかに対応してきた歴史がある。1995年には本社の向かいに託児所を設置。これまでに利用した女性スタッフのなかには、チームリーダーとして活躍する人材も多いという。ミキハウスには676人の社員が在籍しており、その8割が女性だ。そのため例年、出産に直面するスタッフは少なくない。

本人に継続して働く意思がある場合、同社の対応はケースバイケースだ。手順としてまず、「どういう条件でなら、どう働けるのか」を本人が申告。それに対して人事は、受け皿があるかどうかを検討する。結果、社員を続ける人もいれば、アルバイトを選ぶ人もいるという。人事部の安福氏は語る。「創業以来、福利厚生関連の規定については"ひとつに決めない"のが当社の方針。だからこそ、ルールに縛られずに、現場の状況次第で、柔軟に対応ができるのです。もちろん、育児との両立は大変なこと。慎重に話し合い、本人の覚悟を確かめています。とりあえず在職を選んで、苦しくなって退職ということだけはさせたくありませんから」。そうした体制のもと、出産した社員の半数が、ミキハウスで働き続けているという。年々「勤め続けたい」という希望が多くなっているそうだ。

育児経験者をスペシャリストとして養成する接客強化策
ミキハウスの店舗では、販売スタッフ自らの育児経験を武器にした、長期アルバイトの戦力化が進んでいる。ベビー・新生児向け商品の販売を担当する新卒で入社した木村さんも、7年間育児に専念してから復帰した。木村さんのように元社員でなくても、子育て経験を持つ長期アルバイトを雇用し、育児全般の知識とカウンセリングスキルを学ぶ3回の研修を実施。

「子育てキャリアアドバイザー」という社内認定資格を取得する。そうした取り組みが日々、店舗にやってくるママ初心者への良きアドバイスとして機能する。新生児向けの出産準備品は、顧客の環境によってそろえるものが違うので、密なカウンセリングが必要となるのだ。商品の枠にとらわれず、育児全般について本音を語る姿勢は、顧客の心をつかみ、リピーターを生む。「長い目で見てお客さまと信頼関係をつくる大切さを感じています」と木村さん。週1回、月1回と定期的に訪ねてきてくれる顧客もおり、赤ちゃんの写真を張ったお礼の手紙を受け取ることも多いという。2009年にカウンセリングサービスの強化を目的に創設された「子育てキャリアアドバイザー」。1期生が配属された店舗は、アドバイザー不在の店舗よりも、目に見えて業績が上がっているそうだ。きめ細かいカウンセリングに、ほかのスタッフも刺激を受け、店舗全体の接客レベルが向上したという評価もあるほどだ。2010年には、子育てキャリアアドバイザーが250人となり、全国200店舗のほとんどを網羅する。

編集後記
カルティエ、ティファニーなど超有名・高級ブランドが実践する接客術の高等テクニックを一挙公開。フランス、アメリカ、日本のラグジュアリー・ブランド業界で受け継がれてきた「秘密の教育ツール」を書籍化。

超高級ブランドに学ぶ感動接客

日本で安全な食を急拡大させる"食材ネット販売" オイシックス株式会社

急拡大中のネット通販市場。その食品小売りの分野で、2000年の創業以来二ケタ成長を続けている企業がある。安心で安全な食材をネット販売するオイシックスだ。その成長の推進力を担う、独自の人材育成術を追った。

日本で安全な食を急拡大させる"食材ネット販売"
有機野菜やオーガニック食材を中心とする食品販売サイト「Oisix」。小さな子どもを持つ主婦層から支持を集め、売り上げが拡大している。自然食品関連の同業他社と一線を画するのは、その利便性だ。オイシックスには入会金や年会費はなく、1品から注文できて、指定日時の宅配が可能。これにより、ディンクスなど時間に余裕がない層も格段に利用しやすくなったという。

食の安全性への意識の高まりが成長を後押しし、創業10年で利用者は累計48万人にのぼる。この背景には、ネットの普及があることは見逃せない。オイシックスはネットならではの情報力で、全商品の産地・生産者や独自の安全基準を公開し、企業姿勢を訴求。具体的に生産過程を交えて食材を紹介することで、農家の工夫や熱意、そしておいしさの理由を顧客に伝えてきた。創業以来二ケタ成長を続けており、2010年3月期の売上高は71億円を達成。広報の大熊氏は語る。「売り上げ実績で評価をいただきますが、当社としては、まだまだこれからという認識を持っています。安全な食を扱うオイシックスの事業は、食品小売業のなかではニッチ(すき間市場)とされているのが現状。でも本来は、誰もが安心して口にできる食品こそ、多くの人に受け入れられる市場であるべきではないでしょうか。私たちは、食の安全性など気にせずに、食のおいしさや、買い物を楽しんでいただける環境にしていきたいと考えています」

モチベーションと発想力をアップさせる"産地での実体験"
オイシックスの社員数は98名、少数精鋭の組織である。そのため、職域を限らず全社員に「食」の現場を知り、「食」の知識を豊かにすることを求めてきた。"ブランドを体感する会"は、全社員を対象に家族も参加して行われる大々的なイベント。毎回、幹事チームが部門横断で組織され、テーマを変えて趣向を凝らす。年4回開催のうち2回は、都内で食にまつわる知識を豊かにする体験を行う。

例えばナイフを使ってはしを作ったり、全国各地のお雑煮を用意して食べ比べをしたりする。ほか2回は、社外に出て行う産地訪問。シラス漁やイモ掘り、レンコン掘りなどの収穫体験のほか、ひたすら畑の草取りをしたこともあったという。「胸まで水につかってレンコン掘りをすると、日々農家の方はこういう作業をしているのかとその大変さを実感できます。お茶をいただきながら農家の方に"うちの食材を広めてくださいね"と声をかけてもらえると、自然とやる気もでます。産地を訪ねると、食材のストーリーも感じとれて、どうやって売るかというアイデアがどんどん出てくるのです」と大熊氏。得るのは、単なる知識やモチベーションのアップだけではないようだ。

編集後記
ほったらかしでも儲かった!
カッコいいクールなデザインは不要。アクセスカウントが増えても売り上げには関係ない。更新頻度とアクセスカウントは比例しない。「全世界を相手に」商売しても意味がない。インターネット通販は、寝てても儲からなければ意味がない!あなたのインターネット通販は間違っている!パソコンをよくわかってない人間が片手間でできて、でも利益はしっかり欲しい…そんな望みに応えるノウハウがここに。

年間3万円で成功したスーパーインターネット通販

かっこよいHPが売り上げに関係有ると思っていませんか?
HPは常に更新が必要と思っていませんか?
HPは本来貴方の為に無給無休で働いてくれるものです。
そしてほったらかしに出来るHPこそがあなたの右腕に、優秀な営業マンになってくれるのです。私はこの本を読んでそして迷ったたらまた読んで 寝ていも遊んでいてもHPで稼げるようになりました。
2000年の本ですがすでに古典です。

水処理機器メーカーがタッグを組んで打ち立てた"世界戦略" メタウォーター株式会社 

現在の約60兆円規模から、2025年には100兆円に拡大するという世界の水ビジネス。水処理業界大手のメタウォーターは、市場拡大を視野に入れ、2017年には現在の倍の2000億円を売り上げ目標に掲げている。世界進出と急拡大に向けての人材戦略を追った。

水処理機器メーカーがタッグを組んで打ち立てた"世界戦略"
水資源が豊かで、上下水道の整った日本では想像しにくいことだが、世界の水問題は深刻だ。世界的な人口増加や工業化・都市化による水の需要拡大、緑地の減少や砂漠化による水不足、新興工業国での水質汚染の進行など、水における課題は山積み。その反面、需要の観点から考えれば「水ビジネス」は爆発的な成長が見込まれる有望な市場。この市場に注目し、水処理技術をもつ機械・電気の2大メーカーが戦略的に合併、2008年に誕生したのが、このメタウォーター株式会社だ。

安全でおいしい水をつくるオゾン発生装置(オゾナイザ)やセラミック膜を利用したろ過システムなど、トップクラスのシェアを誇るコア技術を有する。人事総務部の藤井氏は語る。「当社がねらうのは、単なるコンポーネント※や設備の提供ではなく、事業計画から運営までのサービスの拡充です。日本では上下水道事業の運営は自治体が行っていますが、現在では幅広く運営まで民間企業が活用されるケースも増え、当社でも実績を挙げています。このノウハウは海外進出の下地にもなるのです」。同社は、海外の国を相手としたプロジェクトでは、国や地方自治体などとの官民連携体制と管理・保守を含めた事業運営ノウハウが必要であると考えているようだ。

世界に通用する人材育成は、大ベテランによる"海外OJT"
今後に数カ国で、プロジェクトへの参画を目指す同社。海外進出のための人材の増強が急ピッチで進んでいるという。社内での人員確保は、公募制度を利用。主に20代を中心に留学経験者など海外志向の強い人材が集まりつつある。そして、プロジェクトの要となる中堅には、外部からの大規模な即戦力採用が進行中だ。技術者としての経験に比重を置いているため、海外での経験を持たないスタッフが多い。

そのため、研修とOJT両面からの教育が不可欠。社内に講師を招いての語学研修は希望制だが、担当プロジェクトが具体化すれば必須となる。日常の業務においても、海外でのプラントや建設業務に長年携わってきた企業の退職者を嘱託社員として招き、海外取引や契約などの商談や発注のノウハウをOJTで教育し、そのマニュアル化も並行して進めている。すでに稼働しているホーチミンとソウルの駐在所でも、現地での駐在キャリアを持つベテランをアドバイザーとして配置した。国ごとに異なる商習慣の知識も伝授されるという。2010年度の売り上げの1割近くが海外での実績だという。世界市場で認知度の高い固有技術を足がかりに事業を広げつつ、官民連携のプロジェクトを推進することでの拡大を見込む。

編集後記
ケース・スタディでわかる部下の育て方
本書は職場リーダーを対象とした部下の指導・育成のノウハウ本です。この時代ならではの具体的な問題事例を紹介しながら、そこにおけるリーダーとしてののぞましい対応をわかりやすく解説したものです。ここで紹介する多くの事例は、部下との葛藤や動機づけ、さらにはリーダー自身のありようまで、きわめて具体的であり、業種・職種をとわず大いに参考にできるものです。

人を動かすOJTの本

「い・ろ・は・す」ブランドを確立した "エコの可視化戦略" 日本コカ・コーラ株式会社

ここ数年のマイナス成長を脱し、2010年度は再びプラス成長に転ずると予測されるミネラルウォーター市場。そのけん引役ともいえるのが日本コカ・コーラの「い・ろ・は・す」だ。同ブランドは発売翌月(2009年6月)以降、ミネラルウォーター小型サイズのトップを走り続けている。同社ならではの商品戦略とグローバルな人材戦略に、その勝因を探った。

2180億円の市場規模を有するミネラルウォーター。コンピューターの誤作動が懸念された2000年問題において、水の供給停止対策で備蓄が進んだのをきっかけに身近となり、健康志向を背景に急速に普及したという。今やスーパーやコンビニには、大手各社の商品がずらりと並んでいる。そんななか、日本コカ・コーラが、ミネラルウォーター部門でのブランド確立を目指して発売したのが「い・ろ・は・す」だ。

最大の特徴は、原油使用量を大幅に軽減した12gの国内最軽量(※1)ペットボトル。子どもでも手で"しぼって"つぶせるほど薄いため、"飲み終えた後はボトルをしぼってリサイクルへ"と手軽にできるエコ・アクションへの参加を提案。水は基本的には無味であるため差別化が難しいとされるが、「環境」を差別化の切り口としたのだ。

この仕掛けが当たり、発売1年4カ月までに5億本を突破。マーケティング本部の小林氏は語る。「消費者の環境志向の高まりに合わせて、消費者自ら参加できるエコ・アクションを提案しました。消費者の負担にならず、むしろ"しぼって"ストレス発散にもなる(笑)、そんな手軽さが消費者に受け入れられたのだと考えています。
また"エコを可視化した"好例だという評価も頂いています」。2010年に入ってからも、植物由来の素材を一部使ってさらに原油使用量を下げた「プラントボトル」の導入、1020mlサイズや、水以外のユーザー層の取り込みをねらった新商品「い・ろ・は・す みかん」の発売など、攻勢を強めている。

社会的な環境保護意識の向上も目指す「水資源保護活動」
商品を通じてエコ・アクションへの参加を提案するという、ユニークな発想を生んだ背景には、同社ならではの企業風土がある。ザ コカ・コーラ カンパニー(※2)は、「2015年には水資源管理のグローバルリーダーになる」という目標を掲げ各国に専門部署を設置。日本でも、工場における取水や水質管理、水使用量効率化、排水管理などの技術革新はもとより、水源領域の長期的な保護にもスペシャリストを配置する力の入れようだ。

その一方で、水を守るための社会活動も多方面に展開している。例えば、沖縄の水源地域にある国頭村(くにがみそん)で、生態系の健全性を測る指標ともいえる絶滅危惧(きぐ)種の鳥、ヤンバルクイナの保護に貢献すべく、NPO法人などと協働で既存インフラの飲料自動販売機を活用した画期的な「絶滅危惧種 ヤンバルクイナ生態調査」を行っていることもその一つ。また、次世代を担う子どもたちの環境意識を高めるコカ・コーラ「森に学ぼう」プロジェクトも全国で実施。2010年夏も神奈川県や茨城県をはじめ各地で親子が、カヌーでの自然観察や森の下草刈りや枝打ち、清流に生息する生物について学習する体験をしたという。地域社会と共に取り組むエコ・アクションの積み重ねが長期的には水資源保護に結びつくと考えるコカ・コーラ社ならではの視野の広さが、こうした活動からうかがえる。

編集後記
企業と消費者のつながり方が、劇的に変わる
テレビ局、新聞社、出版社、広告代理店は、気づいているのか?メーカーなど事業会社が、自社メディアを駆使しながらコンテンツやサービスを提供することが、マーケティング上の重点施策になる。そういう時代が訪れようとしているのだ。「コカ・コーラ」は、巨大な媒体を持とうとしている。最先端の企業の動向をもとに、企業と消費者の新しい試みを紹介する。

コカ・コーラパークが挑戦するエコシステム・マーケティング

ビッグプロジェクトを成功させるための"JAXA式研修" JAXA(宇宙航空研究開発機構)

数々の困難を乗り越えて小惑星「イトカワ」からの帰還を果たした無人宇宙探査機「はやぶさ」は、2010年を彩る数多い話題の中でもひときわ輝きを放っている。そして、はやぶさのプロジェクトを立案・実行し、成功に導いた宇宙航空研究開発機構(通称:JAXA)にも注目が集まっている。「宇宙探査」という壮大かつ緻密(ちみつ)なプロジェクトを成功させる組織にとって必要な人材採用と育成の戦略を探る。

ビッグプロジェクトを成功させるための"JAXA式研修"
JAXAでの人材育成とはどのようなものだろうか。宇宙というかなり特殊な分野を扱っているものの、宇宙飛行士を除けばそれほど特別な研修をしているわけではないという。入職直後に行うのはビジネスマナーやJAXAの組織全体について学ぶ初期研修、ある程度の経験を積んだ上で今後のキャリアを考えるための7年目研修、海外とのやりとりに不可欠な英語研修などだ。とはいえ、個々の研修にはJAXAならではの特色がある。

初期研修でJAXAの全体を知るために、筑波宇宙センターや相模原キャンパスなどの主要な開発・研究の拠点を数日がかりで見学する。ロケットの打ち上げなど危険性が高く、また失敗した際の影響が大きな事業を行っているため、システムズエンジニアリングやプロジェクトマネージメント、危機管理についてなどは特に力を入れて研修を行っているという。また、英語研修も敬語表現から戦略的な英文の書き方など、実務に即した内容になっている。「私も英語で困ったことがあったので、断り方や自分の意思を的確に伝える文章などが勉強になりました。それに全般的に皆さんまじめでやる気があるので研修担当としてはやりやすいですね」

大きな成長を期待! NASAをはじめとした"宇宙機関留学制度"
近年、JAXAが力を入れているのは国際的な人材の育成だ。国際宇宙ステーションやスペースシャトルなどでの関係が深いNASAや欧州宇宙機関、海外の大学へは、毎年数人の職員が派遣されているという。この制度は公募制で、書類審査と役員面接によって選抜され、能力を磨くための礎となっている。選抜に際しては「海外で学んだことをどのようにJAXAに生かすのか」というビジョンが重視される。

海外への派遣はエンジニアに限らず、経営企画系の人材でも行われる。田辺さん自身も有人宇宙環境利用ミッション本部に所属していた当時、ヒューストンのNASAジョンソン宇宙センターに派遣され、実験棟「きぼう」の打ち上げに際して海外メディアへの対応などを行っていた。宇宙開発は一つの国だけでは完結せず、多くの国との連携・協力が不可欠だ。したがって国際的な感覚を身につけるために海外で実務経験を積むことが必須だという。

編集後記
「人材育成や社員教育が大事なのはわかるが、どこから手をつければいいのか」「研修の効果がはっきりしない、手ごたえがない」「社員研修をしている余裕がない」そんな疑問や不満を抱く人事・教育担当者必携の一冊。準備の必要性、講師の選び方、研修の意義、受講生が仕事に結びつけるコツ…成果をあげる社員研修を的確に指導。

成果を2倍にする!社員研修の鉄則45

サンプリングで売り上げ拡大を狙う"エンドユーザー戦略" P&G ペットケア事業部

1兆円を超えるペット関連市場。とくに、ペットフードは2010年には3000億円を超す成長市場だ。そんななか、P&Gペットケア事業部では、女性の積極的な起用による販売促進活動を行い、実績を伸ばしている。その取り組みと狙いを追った。

サンプリングで売り上げ拡大を狙う"エンドユーザー戦略"
休日でにぎわうホームセンターのペットコーナーやペット専門店。飼い主の方と気さくに言葉を交わしながら、ペットフードのサンプルを渡す女性がいる。P&G ペットケア事業部のフィールドスタッフだ。「太り気味なのが気になって」、「最近体調をくずしていて」といった相談にのり、ペットに関する専門知識を交えながらアドバイスをして信用を培う。エンドユーザーであるお客さまに直接PRができる、格好の販売促進活動となっているのだ。

扱う商品は「アイムス」「ユーカヌバ」というペットフード。「ユーカヌバ」は米国のプレミアムペットフード部門においてトップクラスを誇る人気ブランド。日本でも、ペット専門店におけるドライペットフードでの販売はトップを誇る(P&G調べ/2008年5月〜09年4月のペット専門店でのドライドッグフード金額シェア)。ペットの体の大きさや、年齢層別に栄養を考えたラインアップが好評なのだ。そうした人気の背景には、P&G内においても、ペットケア事業部が独自にフィールドスタッフと呼ばれる人材を採用していることが挙げられる。

アウトソーシング可能な業務であっても「直接雇用する理由」
以前ペットフードは、ユーザーにとってそのメリットがわかりづらい商品であった。そこで品定めしているエンドユーザーに直接、「4歳のトイプードルには、こういう栄養が大切ですから、このフードが適しています」と薦めることができれば、決定力も増すと同社は考えた。そうした、カウンセリングの重要性を見越しての組織化だったという。

このフィールドスタッフの働き方は自由度が高く、原則月1回のミーティングを除いて、直行直帰での勤務スタイルを敷く。自分で休日を決めてスケジュールを組むのだ。郊外店が多く、広いエリアを動くため、ETC付きの社用車も貸与され、駐車場完備でガソリン代も支給される。もちろん、同社の手厚い福利厚生も利用できる。事業部PNSAマネージャーの林氏は語る。「アウトソーシングしやすい業務をできるだけ社外に出すのは、世の中の流れ。ただ、この仕事に関しては、直接雇用のメリットを重視しています。ダイレクトに情報を共有し、指導・教育することで、販売促進の質が高められますから。雇用される側にとっても、安心材料になっているようです」。現在、全国で40人の女性が活躍中だ。多くは30代、40代で、家庭と両立する人も多い。今では、店頭に立つときを見計らってお客さまの方からやってきてくれる、そんな"ファン"を持つほどのやり手もいる。

編集後記
資金、年齢、性別、居住地、キャリアは関係なし。ドクターシーラボとネットプライスをあっという間に100億円企業に育て上げた通販のプロが、最小の投資で最大の利益を上げる稼ぎ方を完全伝授。

ゼロからはじめるネット通販の教科書

子犬、子猫だけでなく飼い主まで教育「しつけ重視のペット販売」 株式会社ジョーカー

ペットショップでは生まれたての子犬、子猫の方が人気を集める傾向にある。しかし、株式会社ジョーカーの場合には、必ずしもそれが当てはまらない。販売手法が違うからだ。今回は、同社の他店と一線を画す店舗運営と、それを支える社員教育に迫る。

子犬、子猫だけでなく飼い主まで教育「しつけ重視のペット販売」
ペット先進国とされるイギリス、アメリカでは、飼い犬に対するしつけが行き届いており、人と同じホテルに泊まることができるなど、ペットが社会性を備えている。一方日本では、ペットブームという言葉が生まれて久しいが、まだまだペット先進国とはいえないのかもしれない。飼い主の手に負えないペットが手放されることもあるのが実情である。そうした日本のペット事情に異を唱えるのが、首都圏近郊に17店舗を構えるペットショップジョーカーだ。

「犬のしつけは、人間と同じです。社会性のない子犬が飼い主の手に渡ったら、生活に癒やしを与えるどころか、悩みの種になってしまうこともあります。ですから、当社は店舗の販売スペースに『ワンニャン幼稚園※』という名前を付けています。トイレを覚えさせたり、インターフォンやバイクに対し過剰に反応しないよう音に慣れさせたり、ブラッシングを嫌がらないようにしたりするしつけの場にしました。そこでのスタッフやほかの子犬との交流を通じて、社会性や主従関係を覚えさせることもできるのです」。そう語るのは、同社店舗統括部部長の中島氏。同社は犬のしつけ教室も運営しており、購入後の犬はもちろん、飼い主に対しての教育までも行っているという。
※ワンニャン幼稚園は、(株)ジョーカーの登録商標です。

"能力給+指名制度+研修"でトリマーの技術力を底上げ
しつけだけではなく、犬の美容に対する姿勢もジョーカーならではのものがある。2004年には、全米で数万匹のエントリーがあった犬の姿形を品評するドッグショーで、同社所有のトイプードルがナンバーワンを獲得した。店頭におけるトリミングでも、人の美容と同様、その時の流行を加味し、犬の個性を最大限発揮できるスタイルを提案しているという。

トリマーに対しては、能力給や指名制度を採用することで、モチベーションUPを図っている。もちろん、高い技術を磨くための教育にも余念がない。「トリマー採用の場合は、まず入社時に実技と面接の試験を行います。実技では、犬の抑え方や道具の扱い方など基本的な部分を見ていますね。また、入社後6カ月目には新人トリマー研修会を実施することで習熟度を確認し、その後も技術向上のために社内トリミング試験を定期的に行っています」。このほか、犬の理想的な骨格バランスを学び、トリミングに生かすための「THE犬学」という社外講師を招いて行う研修や、犬のリラックスマッサージの施術の講習会も行っている。

編集後記
大手から個人まで…ノウハウを見て歩く
バブル以降一〇年以上の長期にわたる平成デフレ不況下で、唯一堅調なのが通販業界だ。本書は、通販業界がなぜ今それほどに躍進し続けるのか、伸びを可能にするビジネスモデルは何かを、綿密な企業取材によってあぶり出した渾身のリポートである。

「通販」だけがなぜ伸びる

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