不況にもかかわらず過去最高の興行収入 映画業界が大躍進を遂げた4つの理由

2010年の映画国内興行収入は04年の2109億円を抜き、史上最高となることが確実になった。2200億円を突破する可能性も出てきている。今年は大型CD店が閉店するなど調子がいいとは言えないエンターテインメント業界で、なぜ映画が好成績を収めたのか。

最大の影響は言うまでもなく、3D映画の登場。3D映画は通常料金より300〜400円高いことも大きいが、それだけではない。3D映画の映像体験は劇場でしか味わうことができない。このプレミアム感が日本人の気持ちを揺さぶった。普段DVDで済ませている人々も映画館で鑑賞したのが興行収入アップにつながった。3Dの華麗なる登場が映画館へ足が遠のいていたユーザーにきっかけを作った。また3Dテレビの登場、薄型大型テレビの浸透、CGの技術革新でユーザーの映像への関心が以前よりも高まってきている。このことが映画への興味自体の底上げにつながった。

次によいコンテンツが揃っていたこと。3D映画先駆け『アバター』は日本歴代8位の155億円の興行収入を叩き出した。『アリス・イン・ワンダーランド』はティム・バートン監督のファンのみならずジョニー・デップファン、アリスファンと多方面のファンを獲得、3D効果も手伝い2位に。3位は『トイストーリー』。言わずと知れた大人気映画の続編であり、しかも3Dとなれば映画館に自ずと足が向く。上位3作は100億円を越す大ヒットとなった。国内映画も『借りぐらしのアリエッティ』、『THE LAST MESSAGE 海猿』、『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ! 』と好調だった。

ほかには映画を観やすい環境作りが進んでいることが言える。シネコンは昔の映画館のイメージとは様変わりし、清潔で広々とした所が多い。そして映画目的で足を運んだわけでなくても買い物のついでに寄れてしまう立地の良さ。生活圏内にうまく溶け込み、映画館にわざわざ行くという感覚を軽減。また、値段設定も一工夫で気軽さを後押し。映画の日、レディースデー、シニアサービスなら1000円、夜間割引や会員サービスデーを行っているところも。ネットで座席指定を行いチケット購入がスピーディかつスマートになったことも要因。会員カードの特典充実でリピーターを確保。例えばTOHOシネマズの「シネマイレージカード」。本編上映時間1分=1ポイントが貯まるだけでなく、6本観れば1本映画が無料に。毎週火曜は会員なら1300円で鑑賞できる。

4つ目にあげられるのが口コミだ。TwitterやFacebookの大流行により、ネットでの交流が盛んになり、映画の口コミサイトを閲覧しなくとも映画の感想が自然と目に飛び込んでくる。誰かが「『アバター』の映像凄すぎる! 絶対映画館で観るべき! 」とつぶやけば、それが広がり、観た人がまた感想を漏らしてという相乗効果があった。その逆ももちろんあり得るわけだが。

不況のなかでも成長を遂げた映画業界。3D映像が多大な影響を与えているとはいえ、映画内容はもちろん観る場所のよさ、きっかけ作りも大事。すべてのバランスがうまく絡み合い、大躍進となった。

編集後記
落語界を代表する5人の噺家が前座時代を振り返りつつ、修業の意味や、弟子を育てることの難しさを語る。「(修業は)身体を使って物事に相対することを学ぶことであり、いつかそれが落語に表れる」「好きに生きるためには、自分を殺す時代があっていい」──。特殊な社会の特殊な修業の話と見てはいけない。人材育成の勘所が分かる1冊。

5人の落語家が語るザ・前座修業

人気と実力で知られる落語界の5人のスターたち。彼らはどのような修業を経て真打になったのか?徹底して叩き込まれる序列への配慮と礼儀。師匠への過剰なまでの気配り。トラブルや危機が起きたときのとっさの判断と対処法。─それぞれの経験をふまえ、独自のしきたりが生き生きと語られるなか、落語への限りない愛情が浮かび上がってくる。“社会の前座たち”に贈る、一人前になるための英知の言葉。


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