携帯無料ゲーム 市場1000億円突破 隙間エンタメ盛況

「モバゲー」「グリー」……携帯電話の無料ゲームのテレビCMが、最近特に目立つ。不況の折、携帯無料ゲームは、年間数百億円単位で売り上げを伸ばしているという。無料のゲームで、どうしてそんなにもうかるのか。なぜCMがあんなに多いのか。

東京・六本木ヒルズにある交流サイト運営会社、グリー本社。巨大フロアにパソコン数百台が並び、20〜30代の社員がキーボードをたたく。主力の釣りゲーム「釣り★スタ」の開発チームの男性社員(27)は「どうしたら釣りたくなるかといつも考えている」と画面を見つめる。

04年創設のグリーは「釣り」を始めた07年ごろから会員数が急増。08年春からのテレビCMもあって10年6月には2000万人を突破した。06年に3億円の売り上げは、今期は540億〜600億円を予想している。

ライバルの交流サイト「モバゲータウン」を運営するのはディー・エヌ・エー(デ社、東京都渋谷区)だ。昨年10月、敵を倒しながら仲間を増やしていく「怪盗ロワイヤル」を開始し、売り上げが急増。昨期の481億円が、今期は上半期だけで500億円を超えている。会員数もグリーとほぼ並ぶ。

CMデータを扱っているゼータ・ブリッジ(品川区)によると、10月の関東民放5社のCM放送回数は、グリーが2806本で最多、モバゲータウンのデ社が1501本で2位。2社は今年に入ってCM放送回数上位を独占している。

「釣り」も「怪盗」も、交流サイトの会員同士がコミュニケーションをとったり、助け合いながら進めるゲーム。いずれも無料で始められ、操作は簡単だ。ゲームを進めると道具(アイテム)を買いたくなる仕掛けがミソだ。

例えば「釣り」では、仲間と一緒に釣り大会に参加する一方、さおは使い込むと折れる。無料のさおを続けるか、より釣りやすいさお(100円〜)を買うかを選べる。道具には大物が釣れるルアー(疑似餌)1000円、究極のつりざお2000円などもある。

ただ、アイテムを購入するゲームはパソコンにもあった。何が違うのか。

記者も3週間ほど利用してみた。最初は何がおもしろいのか分からなかったが、仲間ができ、短いあいさつ文を送るようになると、通勤中の電車でも携帯をつい開いてしまう。

3年前にモバゲーを始め、毎日、仕事の合間にゲームをする板橋区の男性会社員(27)は「一言でいえば暇つぶし」と話す。非常に手軽なのだ。デ社の広報担当は「隙間(すきま)時間で使える新しいエンターテインメント」と言う。

ゲームを続けるにつれて、有料の道具のほうがうまくいく場面が多くなった。道具を買う人がより有利になる仕組みで、無料の道具を使う会員に対して“優越感”に浸れる。

ゲーム産業に詳しい新清士(しん・きよし)・立命館大非常勤講師は「利用者の5〜10%が有料の道具を買っていると言われており、利用者数が大きいので集まるお金も増える。デ社やグリーは今後、スマートフォン(多機能携帯電話)に拡大し、海外にも進出していくだろう」と指摘している。

編集後記
健全な“ドンブリ勘定”のすすめ
財務諸表をアバウトに見るだけで、次の戦略が見えてくる楽天、ソフトバンクはなぜ何期も赤字を続けても成長するのか?ソニーはなぜ行き詰まったのか?トヨタ、セブン‐イレブン…、大企業はすでに金融業になっている。経理マン、会計士が絶対に教えてくれない経営戦略のための会計学。

経営の大局をつかむ会計

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。