15年前に社員用託児所導入! 歴史ある「キャリアと育児の両立」支援 ミキハウス(三起商行株式会社)

百貨店の売り上げが低迷し、アパレル業界も苦戦を続けている。そんな状況下、ベビー・子ども服ブランドの「ミキハウス」では、百貨店の売り場で売り上げが前年を大きく上回る店舗が目立ってきた。売上高も前期比5〜6%増で推移する。その勝因を人材戦略の視点から検証した。

15年前に社員用託児所導入! 歴史ある「キャリアと育児の両立」支援
2011年に創業40周年を迎えるベビー・子ども服ブランドの「ミキハウス」。子どもを大切に考える会社とあって、社員の「育児支援」にはこまやかに対応してきた歴史がある。1995年には本社の向かいに託児所を設置。これまでに利用した女性スタッフのなかには、チームリーダーとして活躍する人材も多いという。ミキハウスには676人の社員が在籍しており、その8割が女性だ。そのため例年、出産に直面するスタッフは少なくない。

本人に継続して働く意思がある場合、同社の対応はケースバイケースだ。手順としてまず、「どういう条件でなら、どう働けるのか」を本人が申告。それに対して人事は、受け皿があるかどうかを検討する。結果、社員を続ける人もいれば、アルバイトを選ぶ人もいるという。人事部の安福氏は語る。「創業以来、福利厚生関連の規定については"ひとつに決めない"のが当社の方針。だからこそ、ルールに縛られずに、現場の状況次第で、柔軟に対応ができるのです。もちろん、育児との両立は大変なこと。慎重に話し合い、本人の覚悟を確かめています。とりあえず在職を選んで、苦しくなって退職ということだけはさせたくありませんから」。そうした体制のもと、出産した社員の半数が、ミキハウスで働き続けているという。年々「勤め続けたい」という希望が多くなっているそうだ。

育児経験者をスペシャリストとして養成する接客強化策
ミキハウスの店舗では、販売スタッフ自らの育児経験を武器にした、長期アルバイトの戦力化が進んでいる。ベビー・新生児向け商品の販売を担当する新卒で入社した木村さんも、7年間育児に専念してから復帰した。木村さんのように元社員でなくても、子育て経験を持つ長期アルバイトを雇用し、育児全般の知識とカウンセリングスキルを学ぶ3回の研修を実施。

「子育てキャリアアドバイザー」という社内認定資格を取得する。そうした取り組みが日々、店舗にやってくるママ初心者への良きアドバイスとして機能する。新生児向けの出産準備品は、顧客の環境によってそろえるものが違うので、密なカウンセリングが必要となるのだ。商品の枠にとらわれず、育児全般について本音を語る姿勢は、顧客の心をつかみ、リピーターを生む。「長い目で見てお客さまと信頼関係をつくる大切さを感じています」と木村さん。週1回、月1回と定期的に訪ねてきてくれる顧客もおり、赤ちゃんの写真を張ったお礼の手紙を受け取ることも多いという。2009年にカウンセリングサービスの強化を目的に創設された「子育てキャリアアドバイザー」。1期生が配属された店舗は、アドバイザー不在の店舗よりも、目に見えて業績が上がっているそうだ。きめ細かいカウンセリングに、ほかのスタッフも刺激を受け、店舗全体の接客レベルが向上したという評価もあるほどだ。2010年には、子育てキャリアアドバイザーが250人となり、全国200店舗のほとんどを網羅する。

編集後記
カルティエ、ティファニーなど超有名・高級ブランドが実践する接客術の高等テクニックを一挙公開。フランス、アメリカ、日本のラグジュアリー・ブランド業界で受け継がれてきた「秘密の教育ツール」を書籍化。

超高級ブランドに学ぶ感動接客

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