スティール日本市場撤退との観測浮上 サッポロHD株大量売却

投資ファンドのスティール・パートナーズが保有株の売却を進めていることが明らかになり、株式市場では日本での事業から撤退するのではないかとの観測が浮上している。同ファンドの関係者はこうした見方を否定するが、世界的な金融危機による投資資金の縮小を象徴する動きといえそうだ。

スティールが売却したのは、サッポロホールディングスの株式。関東財務局に提出した大量保有報告書によると、10月8日に600万株、14日も1200万株を東証の立会外取引で売却し、保有比率は18・64%から13・14%に低下した。

スティールはサッポロ以外にも、ブルドックソースや日清食品ホールディングス江崎グリコブラザー工業シチズンホールディングスなどへの投資実績がある。しかし日清食、ブラザーなどは保有比率を引き下げ、グリコ株はすでにすべて手放した。

こうした保有株売却の背景の1つに、日本株の低迷があるとみられる。スティールなどの「アクティビスト」(モノ言う株主)と呼ばれるファンドは、割安な株を買ったうえで、経営陣に高値での買い取りや配当の引き上げを要求するなどし、株価を引き上げた上で売却するという投資手法が多い。

短期間に高い運用成績を上げるよう出資者から求められているためで、業績拡大や株価回復が見込めない銘柄を持ち続けることはできない。

日本で有名になったアクティビストといえば、村上世彰元代表が率いた「村上ファンド」(すでに解散)が有名だ。

また、「アクティビストは利回りを犠牲にするようなリスクヘッジもできないため、相場全体が下げると、手じまいの売りを出すしかなくなる」(国内運用会社)。金融危機後、投資マネーは縮小しており、新たな買収を仕掛ける資金の調達も容易ではない。当面、投資ファンドによる買いが市場の話題になる場面はなさそうだ。


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